日本の医療の現状
「病気になれば病院を受診し薬を処方する/処方してもらう」、というのが医師側も患者側も今や常識になっています。熱が出た人に解熱剤を出す、眠れない人に睡眠剤を出す、めまいの人に鎮暈剤を出す、うつ病の人に抗うつ剤を出すといったことが当たり前に行われています。こういうある意味条件反射的な治療は、暗記力がある人なら誰にでもできますし、AIにもできるでしょう。
しかし、こういった投薬は症状に対する対症療法であって、病気の根本原因の解決にはなっていません。どうしても投薬が必要なこともありますが、むしろ過剰に投薬される傾向にあります。また、保険適用を受けるためには、行なった処置や処方に対する保険病名をつけなければなりません。患者さんはほとんどご存知ないかもしれませんが、医療機関は実際の症状や診断名とは別に、保険病名をつけることで、処置や処方に対して保険請求をしています。ほとんどの医療機関は収益を優先していますので、保険病名をつけて診療に対する請求漏れがないように徹底しており、保険病名チェックは医師の業務となっています。こうして過剰な検査や処置や処方をすればするほど、病院にとっては収益が出る仕組みになっているのです。
医療の本質から言うと、保険病名をつけて過剰な医療を行うことは医師の本分ではありません。それどころか、病気を治療する以前に、なぜ人が病気になったのかを調べるのが本来の医療である、と僕は考えます。もちろん、重篤な感染症や急性疾患(脳卒中や心臓発作など)、外傷においては、投薬や処置や緊急手術が必要になります。そこは医師の腕の見せどころです。しかし、生活習慣病や多くの慢性疾患や不定愁訴に対して、原因を考えずに漫然と投薬を続ける(そしてその投薬はしばしば一生続きます)のはおかしいのではないか、と思います。医療を行う側が利益を目的として高額な処方や治療法を行うばかりになり、肝心の病気の原因を取り除こうとしないのが今の現状です。そこには医師と製薬会社と厚生労働省の癒着があり、いわゆる「今だけ、金だけ、自分だけ」という考えが根底にあります。医師は自分達が所属する医療機関の利益を追い求め、製薬会社からの接待を受けてきました。厚生労働省からは製薬会社に多くの人物が天下り、昔から馴れ合いで利益を得ています。
アメリカで使用不可となった、HIV(エイズウイルス)に感染した人物から採取した血液製剤を、厚生労働省が認めて日本人に輸血した、薬害エイズ問題がかつてありました。今回のRNAワクチンについても、効果が疑問視されているにも関わらず、子供への接種を推奨しています。現在はワクチンの治験中であると厚生労働省のHPで説明されているのに、その事実を医師は患者に伝えません。そして、RNAワクチンの調達のために、数十兆円規模が外国企業に流れています。今や日本の厚生労働省も医療界も、外国企業と癒着してしまっているのではないか、と疑われます。
また、欧米では癌による死亡数は穏やかなペースで減っているのに対し、先進国の中で唯一日本だけが癌の罹患数、死亡数ともに年々増加しています。そして、外国資本が参入し、日本で抗癌剤が次々と承認されており、僕の専門である頭頸部癌診療においてもここ10年で使用できる抗癌剤の数は2倍になり、薬価ははるかに上昇しているのです。手術においても、外国製の手術ロボットが日本でも普及したりなど、今や癌治療自体が巨大なビジネスと化しているのです。
多大になる医療・福祉予算
以下のグラフを見てください。「社会保障費 推移」などでweb検索できます。僕の生まれた1982年には医療・福祉その他の予算が17兆円ほどでしたが、2021年には70兆円越えをしたことが分かります。対GDP(国内総生産)比は医療(7.3%)、福祉その他(5.4%)合計で12.7%になります。それに比べたら、教育予算、研究開発費、防衛費等は極めて少ないことが分かります。この状況に政治が対応せずに、防衛予算を増やすこともできない現状には怒りを通り越して、涙が出ます。医療福祉予算の増加が、日本の国力が衰退している最大の理由と言えるのではないでしょうか。なぜならば、日本で使用されている薬剤の多くは、外国製、もしくは外国資本が投入されており、医療費が上昇するほど、日本人のお金が海外に流出するからです。


薬を飲まずに健康を促進するためには
医療・福祉費を抑制し、なおかつ人々の健康を促進するためには、日常から体をメンテナンスしていなければなりません。血流を促進し、代謝を上昇し、免疫を整えなければなりません。そうすることで、細胞の老化を予防し、臓器の機能不全を予防し、免疫が正常に働くことで、外部から侵入する病原菌や突然変異によって体内に生じた癌細胞を除去したり、慢性疾患を防ぐことができるのです。そのために必要なのは「運動・食事・睡眠」であり、この3つのバランスを整えることが重要です。
運動に関して言うと、日本人の多くはサラリーマンで、デスクワークが多いためにそもそも運動不足です。そして、定年退職をして仕事をしなくなり、慢性的に運動不足になります。普段からストレッチ、運動を習慣化するように意識を高く持ちましょう。また、次に述べる食とも関係がありますが、家庭菜園は外の空気を吸って、体を動かすことにもなりますし、太陽の光を浴びて、良い睡眠にも繋がります。昔は農業をやっていた人が8割以上いたのです。プランターからでも構いませんので、まずは一歩を踏み出してみましょう。
食事に関して言うと、日本の食品は添加物まみれである、という認識を持ちましょう。日本では外国で禁止されている除草剤や農薬(モンサント社のラウンドアップなど)を輸入して使用したり、食品添加物が大量に使用されているのが当たり前になっています。家畜の生産効率を上げるために、成長ホルモンや抗生剤が大量に使われています。コンビニエンスストアの野菜は、漂白剤で洗浄後に販売されています。コンビニ弁当の余りは家畜の餌にされ、その家畜の肉が再びコンビニ弁当になるという悪循環にあります。マーガリンやサラダ油はトランス脂肪酸が多く、スーパーの揚げ物を口にしていると生活習慣病のリスクになります。それ以前に、日本の食料自給率は37%であり、63%の外国産の食料を輸入しているという事実を念頭に入れましょう。外国がわざわざ日本のために、オーガニックな食材を選別して提供するでしょうか?このように言うと日本で食べられるものはないではないか!ということになりますが、なるべく生鮮食品を選択し、食材は偏らずいろんな種類を食べることで、リスクを分散すること、できれば無農薬の食材を選ぶこと、自分の口に入れる食材は、家庭菜園で自分で生産してみる、小麦の摂取を減らして米を食べる、など少しずつ意識を高くするだけで、結果が違ってるでしょう。
睡眠に関して言うと、現代人はテレビを手にし、PCを手にし、スマホを手にしたことで、貴重な睡眠時間を無意識に削っていることが多いです。情報量が多く、仕事量も多いことから睡眠時間を削って頑張る人もいます。睡眠時間が短い人が偉いとか、賞賛される、という空気もあるかもしれません。しかし、睡眠は学習や仕事の能率を上げますし、なにより細胞を若返らせ、健康を維持・促進するために最も重要なのです。睡眠が短い人が偉いという考えは間違いであり、考えて十分な睡眠をとっている人が偉いのです。その環境を整えるために、できることはなんでもやるべきです。
いつもの運動習慣、普段口にしているもの、睡眠の質・量があなたの人生を決定する、と言えるでしょう。もし、「運動・食事・睡眠」が乱れているのであれば、直すときは今です。
「病は気から」という言葉があります。患者本人が自分で自分を治せると信じて、良い生活習慣を継続していけば、薬を減らしたり、飲まずにすむことは可能になります。
僕は医師として、トータルウェルネスアドバイザーとして、みなさんのお手本にならないといけないと考えていますし、みなさんが自分の心身の状態を把握し、なるべく自分でメンテナンスをして、精神的にも自立できるようにお手伝いしたいと考えています。薬を飲まずに、健康を手に入れましょう!💪