メタボリックシンドローム(メタボ、生活習慣病)は肥満・高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わされることにより、心臓病や脳卒中になりやすい病態を指します。メタボがなぜいけないか、分かりやすくまとめました。
メタボの原因は?
運動・食事・睡眠の生活習慣の乱れ、過度な喫煙・飲酒、ストレスの蓄積が発症に深く関与しています。
メタボがなぜダメなのか?
動脈硬化を劇的に進行させるため。動脈硬化が起これば、全身の血流が悪くなり、酸素や栄養素の運搬や老廃物の排出が悪くなります。その結果、細胞の代謝が悪くなり、全身で慢性炎症が生じて、臓器が機能不全となります。
日本人の三大死因である癌・脳血管疾患・心疾患、さらに精神疾患、アレルギー、自己免疫疾患、感染症、骨粗鬆症など、あらゆる病気の原因となります。
19世紀までの人類の健康上の課題は感染症の克服でしたが、20世紀以降は生活習慣病が主たる死亡原因となっています。
サイレントキラーってご存知ですか?
生活習慣病、メタボは進行するまでほとんど自覚症状がありません。
そのため、健康診断などで指摘されてもほったらかしにしたり、病院を受診して対症療法的にお薬をもらって安心してしまい、生活習慣について見直すことがないため、根本的な解決にはならず、コントロール不良になっている方が多いです。
しかし、きちんと管理していないと動脈硬化が着実に進行し、脳卒中や心筋梗塞などの「命に関わる病気」を突然引き起こすばかりでなく、手足の痺れ、認知症、心不全、腎不全、失明、下肢切断などの「後遺症」を引き起こします。
さらに、悪い生活習慣を完全に克服した方が良い理由とは
メタボリックシンドロームという診断に至らなかったとしても、血糖値の乱高下や内臓肥満があると、全身で動脈硬化・代謝異常・慢性炎症がゆっくり進行していきます。脳の中でも同様です。その結果、以下のような心身の不調をきたすことが考えられます。
- 睡眠の質が低下する
- ストレスを溜めやすい、イライラしやすい
- 集中力が低下する
- 情緒不安定になる
- 記憶力が低下する
- 頭がぼーっとしてくる
- 痛みが持続する
- 傷が治りにくい
- 老化が進行する(老けやすい)
- 骨が弱くなる
- 虫歯や歯周病になる
- 風邪をひきやすくなる(コロナウイルスに感染しやすくなる)
- 体がだるくなる(慢性疲労)
- 瞬発力が低下する
- 持久力が低下する
- 能力が低下する
- 太る、体型が悪くなる
- 毛髪が抜ける(はげる)
つまり、生活習慣が乱れていると、心身のコンディションが整わないため、ベストパフォーマンスが出せないばかりか、不定愁訴が出てくる可能性もあるのです。血糖値の乱高下や体脂肪率の上昇、そしてその結果として生じる生活習慣病は、生活習慣が悪いために起こる病気です。そのため、本来は薬を使用せずとも、生活習慣を改善することで、根本的に治療することが可能です。薬を使用し、検査値が改善したことでコントロール良好です!、と仰る方が患者さんにも医師にも見受けられますが、これは病気が治癒したことにはなりません。それどころか、死ぬまで薬漬けになってしまう可能性があります。みなさんは是非、運動・食事・睡眠の良い生活習慣を自分のものにしてストレスとも向き合い、絶好調を維持して、毎日を充実させてくださいね✊