ミトコンドリアを増やして、10年若返りましょう!

mitochondria

 ミトコンドリアは私たちの細胞の中にある小器官の一つで、毛細血管から酸素を取り込んでエネルギー(ATP:アデノシン三リン酸)を作り出しています。1細胞あたり、100個から2000個程度のミトコンドリアが含まれています。私たちは歳をとると自然とミトコンドリアの数が減少し、その質も低下します。そうすると、なんだか疲れやすい、やる気が出ないと言った体の衰えや、メタボリックシンドローム、認知症、老化の原因にもなります。意図的にミトコンドリアの数を増やして、質を改善するような生活習慣を送ることが大事です。そうすることで、エネルギーを作る能力がupし、体力がつくだけでなく、若々しく健康になれます。

体を休めてばかりいると、ミトコンドリアの数が減少します。そうすると・・・

 体を休めてばかりいると、体の衰えが加速します筋肉を使わないでいると、筋肉が衰えていくように、体を休めてばかりいるとミトコンドリアの数が減少し、体のエネルギーを作る能力が衰えます。このエネルギーが減少してしまうと、疲れやすくなったり、やる気が出なくなったり、体の機能が低下してしまいます。そうすると、老いと不健康の悪循環に陥ってしまいます。

 メタボリックシンドロームも、ミトコンドリアの機能低下が原因で起こる重大な病気の原因です。これまで問題なく食べ物からエネルギーを作れていた体が、次第にエネルギーを作れなくなれば、当然体に余分な脂肪がたまっていくことになります。内臓脂肪を減らしたい、メタボを解消したいと思うのならば、運動習慣を身につけてミトコンドリアによる代謝を上げる必要があります。

 ミトコンドリアは全ての細胞に存在していますが、中でも特に多いのが神経細胞です。ミトコンドリアが生み出すエネルギーの低下が認知症の原因の一つであるとされています。エネルギーが不足すると外出もしなくなる、そうすると人とのコミュニケーションもどんどん減っていき、認知機能やその他の脳機能も低下します。そうなるとさらに人と関われなくなり、あらゆる機能が低下していき、悪循環に陥ってしまいます。 

ミトコンドリアの質が低下すると活性酸素が増加します

 ミトコンドリアはエネルギーを作り出すだけでなく、ATPを作り出すとき、副産物として活性酸素も一緒に作り出します。活性酸素は、体を酸化させてさびつかせる物質で、増えすぎるとがんや心臓病、脳卒中などの生活習慣病や老化に深く関わります。女性が男性よりも長生きする理由は、女性ホルモンのエストロゲンには抗酸化力があり、活性酸素を消去するためであるとされています。

 私たちの生活習慣によってミトコンドリアの質が良くなったり、悪くなったりします。ミトコンドリアの質が悪ければ活性酸素を作り出し、質が良ければ活性酸素を少なくして、 害を抑えてくれることが分かっています。その結果、エネルギーが効率よく作れるのか、活性酸素がどれだけ発生するのかが決まり、それが老化スピードを決定します。質の良いミトコンドリアを増やすことで、体の機能が向上し、健康的に暮らすことができ、エネルギーに満ち溢れた状態になります。そして、今よりも圧倒的に疲れにくくなり、老化を止めることができ、美容への効果もあります。体の内側が若返ると、自然と外見も若返ります。

ミトコンドリアの数と質を増やし、活性酸素を減らして体を若くする方法は?

  1. お腹を空かせる
     空腹状態を維持することで長寿遺伝子が働き、ミトコンドリアの数が増え寿命が伸び、あらゆる病気にかかりにくくなります。アカゲザルの実験もカロリーを70%に制限した方が生活習慣病や老年病で亡くなる数が1/3にまで減少したと報告されています。空腹を感じる時間や回数を増やすことが最も重要です。空腹を感じると、体はもっとエネルギーを作らないといけないと認識するため、ミトコンドリアの機能を改善したり、ミトコンドリアの量を増やして一生懸命エネルギーを作ろうとしてくれます。そうするとメタボ解消にもなります。
  2. 早食いをやめる(30分以上かけて食べる)
     早食いをしてしまうとゆっくり食べる場合に比べて、活性酸素が多く発生してしまいます。急激に運動すると活性酸素が発生しますが、消化管も同様で、急速に食べ物を消化するためにエネルギーを産生し、活性酸素が発生してしまいます。また、早食いをして急激に血糖値が高くなると、インスリンを大量に分泌しなければなりません。このときにエネルギーを急激に必要としますから、活性酸素が出やすい状態になります。また、早食いをすると、満腹ホルモンが出て食欲が止まる前に食べすぎてしまうことになります。
  3. 定期的に「寒さ」を取り入れる
     寒さを感じることで、体はエネルギーが必要だと感じます。エネルギーを作らなければ生命活動ができなくなるため、体はミトコンドリアを増やそうとします。寒いところで体操や運動をすれば、効率よくミトコンドリアを増やすことができます。それが難しければ、銭湯でサウナと水風呂、もしくは家で手軽に冷水シャワー後に湯船につかりましょう。
  4. 高強度インターバルトレーニング(HIIT: High Intensity Interval Training ヒット)
     ミトコンドリアが特に多い場所は筋肉です。骨格筋には遅筋と速筋があり、両者がミックスした状態で骨格筋を構成しています。ミトコンドリアの数は需給に応じて短時間に変動し、運動をすれば増えます。遅筋のミトコンドリア含量はもともと多いため、含量が少ない速筋のミトコンドリアを増やすことが効果的です。全力疾走など大量の負荷によって、ミトコンドリアの量が増えるだけでなく、毛細血管の数も増え、さらにミトコンドリアが酸素を使ってエネルギーを生み出す回路の働きも速くなります。最初はきつい運動が、何日も続けてやっていくうちにミトコンドリアが劇的に増加して、少しずつ楽になっていきます。
  5. 良い姿勢を意識する
     ミトコンドリアは広背筋、大腿四頭筋に特に多いと言われています。座っているときも立っているときも、背筋をピンと伸ばすように意識しましょう。PCやスマホを操作しているときや立っているときでも、猫背や巻き肩になっていることが多いですが、普段の生活の中で下を向くのではなくて、前を向くようにする、もしくは定期的に天井を見る、空を見上げるということを意識すれば、背筋を伸ばすという習慣が身についていきます。

まとめ

 私たちの体は使わないと衰えます。ぐうたらな生活ばかりしていると、こいつはエネルギーをいらないのかとばかりに、私たちの体はミトコンドリアの数を減らしてしまいます😱いつもなんだかだるい、いつも疲れているという方の原因は人それぞれですが、ほとんどの人に共通しているのが、ミトコンドリアの数が減ってしまったり、機能低下してエネルギー不足が引き起こされることによります。さらに活性酸素の悪影響から逃れにくくなるため、病気や不調や老化の原因にもなります。自分の体は甘やかしてはいけません。甘やかしたら老化まっしぐらです。体だけではなくて脳も積極的に使わないと、認知機能が低下します。ミトコンドリアには体を若々しくする機能があります。日々の生活習慣を変えて、ミトコンドリアの数と質を変えて、10年若返りを目指しましょう!💪